AH-C160W を編集部で使ってみた
新発売の AH-C160W はジョギングなどスポーツ用途にフォーカスした Bluetooth ワイヤレスヘッドホンの最新型。その音質、装着性、使い勝手などを編集部が実際にジョギングで使ってみてレポートします。
急速に普及しつつある Bluetooth ヘッドホンですが、スポーツ用に特化した Bluetooth ヘッドホンはまだ少ないのではないでしょうか。
このたびデノンから発表された AH-C160W は、ジョギングやワークアウトなどスポーツ用途にフォーカスした Bluetooth ワイヤレスヘッドホンの最新型です。
その音質、装着性、使い心地などを実証するために、デノンオフィシャルブログ編集部ではいち早く AH-C160W を入手。
編集部Iが実際にジョギングしてみて、一汗かきながらレポートします。
↑Photo プレスリリースより
ワイヤレス・スポーツヘッドホン
AH-C160W
オープン価格
2月上旬発売予定
詳しい製品情報はこちらをご覧ください。
スポーツ専用ワイヤレスヘッドホンといえば、まだ Bluetooth ヘッドホンが珍しかった5年前、2012年にデノンが発売した AH-W150 が大ヒットを記録しました。
スポーツしながら快適に音楽が楽しめる音質、激しい動きをしてもズレないフィット性、そしてケーブルから解放されたワイヤレスであること。
これらが他のヘッドホンにはないメリットとして高く評価されたからです。
そして、今回発売される AH-C160W は品番からも連想できるように AH-W150 をさらに磨き上げたモデルです。製品の詳細は製品サイトをごらんいただくとして、主な特長を挙げると
●迫力の低音を再生する大口径 11.5 mmドライバー
●スポーツに最適なサウンドを実現する独自の DSP チューニング
●トレーニングの邪魔にならない軽量ワイヤレスヘッドホン
●ハイパワーな Bluetooth® Class 1 だから音楽が途切れない
●激しく動いてもしっかりフィットするエルゴノミック形状のイヤーフック
●4 サイズのイヤーチップと 3 サイズのイヤーリングでフィット感をカスタマイズ
●汗や雨で濡れても安心の防滴仕様(IPX5/7)
●ヘッドホンを着けたままバッテリー残量を確認できる音声ガイダンス
●声はクリアに、騒音は小さく。ノイズキャンセル機能付き通話用マイク
●スポーツに最適化された Comply™ カスタムイヤーチップ
が挙げられます。
今回のエントリーでは、これらを実証すべく、私編集部Iが実際に使ってみてその使い心地をレポートしようと思います。
それでは、まずパッケージから。
まずパッケージが素敵ですよね。プレゼントにしても喜ばれそう。開封すると、同梱物はこんな感じです。
本体、充電用コード、4サイズのイヤーチップと3サイズのイヤーリング、ケーブルスライダー、そして持ち運び用のケース。
開封時に AH-C160W に装着されているのは、この製品専用にカスタマイズされた Comply イヤーチップ。
Comply はイヤホンユーザーに大人気に低反発ポリウレタン製のイヤーチップです。
AH-C160W はブラック、ブルー、ホワイトの3色展開となっています。
今回は残念ながらホワイトは入手できませんでしたが、ブラックとブルーはこんな感じ。
どちらもシックでスタイリッシュ。非常にカッコいいです。
それでは私が愛用している先代の AH-W150 と比較してみましょう。
本体が今までよりシェイプアップされ、やや小振りになっているのがおわかりいただけるでしょうか。
重量も AH-W150 から約20% 軽量化されてわずか23g。
見事に絞り込まれました。デザインもより大人っぽくなって洗練された印象ですね。
スポーツだけでなく通勤時のスーツなどで装着していてもクールではないでしょうか。
ケーブルも先代は丸くて太いケーブルですが AH-C160W では絡みにくい「きしめん型」のケーブルになっています。
このあたりも細かい部分まで気が利いている感じです。
さっそく装着してみました。装着方法は AH-W150 の時とほぼ同じですが、フィット感は先代よりもさらにいいです。
フィット感の肝となるイヤーフックの形状が非常によくできていて、全くストレスを感じません。
AH-C160W の開発にあたっては補聴器のリーディングメーカーであるスターキージャパン社と協力したそうですが、このあたりには長年の補聴器作りのノウハウが投入されているので、頭を激しく動かしてみてもビクともしませんし、重力が軽いこともあり、ほとんどイヤホンを付けている感覚がありません。
さて、いよいよ使ってみましょう。まずは充電です。充電中はわずかに赤いランプがつきます。
派手にピカピカするのではなく、このさり気なさもカッコいいところ。
充電に要する時間は残量ゼロから満充電までで2時間。満充電すれば4時間音楽が再生できます。
また約20 分間の充電で、音楽再生なら約1 時間使用可能。急いでいる時などに便利です。
充電が終わったら、いよいよ Bluetooth 機器に不可欠なペアリングです。
Bluetooth のペアリングはものによっては手間がかかるものもあって結構イライラするものですが、今回、この AH-C160W は一発でペアリングできました。
ペアリングは基本的に一度設定しておけば、同じ機器であれば、あとはスイッチを入れればそのまま接続されます。また日本語での音声ガイダンス(7か国語)も内蔵されてますので装着しながらでも接続確認、電池の残量などをやさしく教えてくれます。
それでは、音楽を再生してみましょう。とりあえず Spotify で元気のいい音楽を聴いていてみます。
Spotify のアプリを立ち上げると、もう再生デバイスのところに AH-C160W が表示されています。
おお、歯切れがよくて、元気がいいサウンド。低音が小気味よく響くので、音楽を聴いているだけで体を動かしたくなってきます。
この 『動き出したくなる』 感じが、スポーツに最適化するようにチューニングされたサウンド、ということでしょう。
低音に迫力があるのは 11.5mm の大口径ドライバーの威力でしょうね。
手持ちの AH-W150 と音を比べてみましたが、音質面でも大きく進化しているように思いました。
スポーツ向きのチューニングとはいえ、ダイナミクスの広さや、精緻な再現能力は紛れもなく最近の 「デノンの音」 に仕上がっていて、このあたりも唸らされました。
さて、椅子にのんびり座っていられるようなサウンドではないので、AH-C160W で音楽を聴きながら、外でジョギングをしてみます。
近くの公園まで走ってみましたが、走り出してすぐに驚いたのは、いままでにないほどのフィット性の高さです。
ケーブルが揺れたりすることもなく、走っていてもタッチノイズがありませんし、ためしに頭を振ってみましたが、イヤーフックやケーブルがぴったりとフィットして遊びがないので一度装着した位置がまったくブレません。
実は他社含めて Bluetooth ヘッドホンをいくつか持っているのですが、走り出すと何かが体に当たり、タッチノイズが気になります。
たいていそれを直そうとしながら走ったり、直らないと立ち止まって直したりするのでイライラすることが多いのですが、AH-C160W はまるでヘッドホンをしていないように思えるほど快適です。
また Bluetooth ヘッドホンでよくあるイライラは「音切れ」で、特に外で走っているとスマホとヘッドホンの位置の関係なのか、体の向きやちょっとした動きでプツプツ音切れがありました。
しかし、その点も AH-C160W では非常に安定感があって、まったく音が途切れません。その気配すらありませんでした。
この通信の安定感がハイパワーな Bluetooth Class1 の実力なのでしょう。
このあたりも使ってみて初めて実感できるポイント。今まで「音切れするんじゃないか」という不安自体がストレスだったんだと気づきました。
↑Comply製の専用イヤーチップ
それと今回は騒音が多い場所で走ってみましたが、Comply のイヤーチップを使ってみたところ、遮音性が高いため外来ノイズが全く聞こえず、まるで一人の世界のように音楽とスポーツに没頭できました。
これも今までにない新鮮な体験でした。
↑イヤーリングをはずしたところ。イヤーリングにも SML の3サイズが用意されている。
ただジムや専用の運動スペース、あるいは室内での運動など安全が確保されている場所なら心配ありませんが、公道などでジョギングする場合はあまりにも遮音性が高すぎてクルマの音などに気づかない可能性があるので、気になる方は付属のシリコンのイヤーチップをご使用ください。
さらに耳と AH-C160W との密閉度は付属されている3サイズのイヤーリングでも調節できます。
というわけで気持ちよく公園までジョギングしていい汗をかきました。
AH-C160W は防水機能が高いとうことなので、結構汗をかいたこともあり、本体に付着した汗を水道水で軽く流してみました。
AH-C160W は防滴性能の IPX5/7 を実現しているそうです。
ちなみに防滴性能の IPX5/7 とは、IPX7が 「一時的(30分)に一定水深(1m)の条件に水没しても内部に浸水しない」 という防浸形の防水基準。
IPX5 が 「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない」 という防噴流形。
かなり高い防水基準をクリアしているといっていいでしょう。
常識の範囲内の使い方であれば、おそらくシャワーやお風呂でも使えそうな気がします。
あと、実際に使ってみて思ったのが先代の AH-W150 よりタフで壊れにくそうなこと。
可動部分が少なくて強度があるので、壊してしまう心配がなさそうです。
ちなみに私は AH-W150 のハードユーザーだったせいか、かつて1台、こんなふうに壊してしまいました。
ところで今回は青い AH-C160W を使ってみましたが、黒い AH-C160W もかなり精悍でいい感じです。
黒だったらスポーツだけでなく通勤通学の時に使っても目立ちにくいし、いいかもしれません。
いずれ日常使いユースケースとして、 AH-C160W の使用レポートもしてみたいと思います。
(Denon Official Blog 編集部 I)