上田さん、HEOSの魅力ってなんですか?
デノンが提案するストリーミング時代の新しいワイヤレススピーカー「HEOS」。その魅力や便利な使い方について、先日東京・二子玉川 蔦屋家電で開催されたHEOS体験会の会場でHEOS広報担当の上田にインタビューしました。
デノンが提案するストリーミング時代の新しいワイヤレススピーカー「HEOS」。
その魅力や便利な使い方について、先日東京・二子玉川 蔦屋家電で開催されたHEOS体験会の会場で、HEOS広報担当の上田にインタビューしました。
HEOSラインナップ
どこでも好きな場所へ連れて行けるもっとも小さなHEOSスピーカー
オープン価格
防滴仕様でいろいろなシーンで活躍
オープン価格
縦横置き対応でどこにでもおけるコンパクトスピーカー
オープン価格
お持ちのオーディオシステムにHEOSをプラス
オープン価格
D&M国内営業本部 営業企画室 室長 上田貴志
HEOSの体験会が開催されたのは「蔦屋家電」。
家電だけでなく、日々の生活をもっと刺激的にしてくれるインテリアや本、雑貨などを販売する、アート&テクノロジーに満ちた場所として話題の空間です。
蔦屋家電 http://real.tsite.jp/futakotamagawa/
このHEOSの体験会会場で、HEOS広報担当の上田にインタビューしました。
音楽のリスニングスタイルがストリーミング主体に変わった
●まずHEOSの登場の背景について教えてください。
上田:音楽の聴き方がここ数年で急激に変わってきていると思うんです。
我々の体験だけでも、最初はアナログレコードをレコードプレーヤーで聴いていました。
それがCDに代わり、mp3やハイレゾ音源などのデータのダウンロードに代わり、今はストリーミングに移りつつあります。
欧米ではすでにストリーミングで音楽を聴くことが主体になりつつあります。
●HEOSはストリーミングサービスに対応したスピーカーとして開発されたということでしょうか。
上田:そのとおりです。
ストリーミングサービスがリスニングの主体になった時、どんなオーディオシステムが必要とされるか。
HEOSは、その問いに対する我々の答えです。
実はHEOSはすでに、2014年から欧米では発売していました。
2年半ほど先行しています。
ただ日本ではまだストリーミングサービスが整っておりませんでしたので状況を見ておりました。
ようやく昨年、日本の「ストリーミング元年」と言われ、AWA、LINE MUSIC、iTunes、そして世界最大のストリーミングサービスであるSpotifyが始まりました。
そして今年3月、ついにHEOSを日本でも発売することになりました。
●日本でも今後ストリーミングサービスが主体となっていくのでしょうか。
上田:私はAWAさんの参入が大きいと思います。
ご存じのようにAWAはエイベックスとサイバーエージェントが手掛けるストリーミングサービスですが、いままで数多くのCDを売ってきた大手のレコード会社であるエイベックスさんがはっきり「これからの音楽リスニングはストリーミングがメインになる」と言っていますので、この流れは変わらないと思います。
ちなみにHEOSは現在Spotifyに対応していますが、2017年5月24日のアプリアップデートでAWAにも対応します。
AWAがこうしたハードウェアと提携するのはHEOSがはじめてとなります。
※HEOS で Spotify、AWA などのサービスを利用する場合は、有料アカウントに登録していることが必要です。
※2017年5月24日のアプリアップデートにて HEOS で AWA が使用可能となります。
↑2017年4月に行われたHEOSプレス発表ではAWA 株式会社の取締役/プロデューサーの小野哲太郎さんが登壇。
AWAとHEOS との組み合わせで広がる音楽の楽しみ方についてのプレゼンテーションが行われた。
HEOSはネットワークに接続するスピーカー
●HEOSは「新しいワイヤレススピーカー」ということですが、今流行っているBluetoothスピーカーとどこが違うのでしょうか。
上田:そこが大切なところです!
たしかにスピーカーだけ見ると違いがわからないのですが、我々は「Bluetoothスピーカーの先にあるもの」という言い方をしています。
例えばスマホにBluetoothスピーカーを接続して音楽を聴いていると、電話がかかってきたら音楽が途切れてしまう。
メールの通知音などもスピーカーから音が出てしまうわけです。
●よくあります。音楽に集中できなくなります。
上田:HEOSなら音楽が途切れません。
HEOS自体がネットワークに接続しているからです。
●そこをもう少しわかりやすく補足説明をお願いします。
上田:つまりBluetoothスピーカーはヘッドホンと同じなんです。
音源をスマホとしましょう。
スマホに入っている音楽データをヘッドホンで聴くかわりに、スピーカーへワイヤレスで飛ばしているんです。
つまりBluetoothはヘッドホンと同様に1対1対応なんです。
●なるほど。HEOSはちがうのでしょうか。
上田:たとえばご自宅やオフィスのLANのネットワークにはプリンターが接続されていますよね。
それと同じで、スマホやがつながっているネットワークにHEOSが接続されているんです。
HEOSにはネットワークユニットが入っています。
たとえばSpotifyで音楽を聴くとすると、スマホのHEOSアプリで選曲や音量調整などを行いますが、これはあくまでリモコンとして機能しているだけです。
音楽データそのものはスポーティファイからHEOSのネットワークユニットが取得して再生します。
ですからスマホに電話がかかっても、メールがきても音楽は途切れませんし、HEOSで音楽を聴きながらスマホでゲームをやってもHEOSからはゲームの音はしません。
●プリンターと同じというたとえはわかりやすいです。
上田:プリンターと同じと考えると、同じネットワーク上にあれば他のスマホやタブレットから音楽が再生できるのもわかっていただけるのではないでしょうか。
ネットワーク上のどのデバイスからもHEOSで音楽再生が行えますし、一台のスマホで複数のHEOSを鳴らせるのもそういうことです。
こうしたことは1対1対応であるBluetoothではできないことです。
将来的にはハイレゾ音源のストリーミングも
●プリンターと同じで複数のデバイスから鳴らせるのはわかりました。他にメリットはありますか。
上田:HEOSアプリはリモコンなので電池の減りがBluetoothよりもずっと少ないです。
ですから家で音楽を聴いていて出かける時になったら電池がなくなっていた、ということは少ないと思います。
それと音質ですね。
●音質はいいのですか。
上田:Bluetoothに比べると高音質です。
Bluetoothの場合、たいていスマホやタブレットに入っている時点でmp3などに圧縮されていますし、Bluetoothでまた圧縮されます。
HEOSはLANを使っているのでデータの帯域も広く、圧縮度が低いので音質面でも優れています。
また先日のHEOSの記者発表の時にAWAさんも言っていましたが、近い将来、ストリーミングサービスでの楽曲の音質が高音質化、ハイレゾ化すると考えられています。
今でもすでに海外のストリーミングサービス「TIDAL」などはハイレゾのストリーミングを行っています。
そうなるとストリーミングはCDよりも音が良いメディアになってきます。
●そうなるとまさにCD時代の終焉ですね。
上田:そうはいってもCDには所有できるメディアとしての魅力はありますので、CD自体がなくなることはないと思いますが、ハイレゾのストリーミングが始まったら、CDの「高音質」というメリットは失われますから、音楽メディアの主流はストリーミングサービスに取って代わられるでしょうね。
ソングリストをシェアしたり、ステレオ再生も
●HEOSでなければできない便利な使い方について教えてください。
上田:まずシェアリングスピーカーという使い方があります。
先ほどプリンターと同じように1台のHEOSを複数のスマホやタブレットから共有できると言いましたが、たとえば部屋に置いてあるHEOSを家族や友人でシェアしてそれぞれ気に入っている曲を流すということができます。
●カラオケのリストみたいな感じですか。
上田:そうですね。
リストの最後に自分の曲を追加することもできますし、今流れている曲を止めて自分の曲を流すこともできます。
それの逆で複数のHEOSに同じ曲を流すこともできます。
●それは「マルチルーム」という使い方ですか。
上田:そうです。
たとえばリビングとベッドルームにスピーカーを置いて同じ曲を流しておくということもできます。
また別々の空間に別々の音楽を流しておくこともできます。
これもHEOSアプリで設定できるので、1台のスマホでいくつのHEOSでも操作できます。
ちなみに1つのネットワークで最大32台までのHEOSが接続可能です。
●ステレオ再生もできると聞きました。
上田:HEOS 3は単独でも横置き時にはステレオ再生ができますが、2台のHEOS 3、または2台のHEOS 1をステレオペアで使用することで、ステレオ再生が行えます。
●ワイヤレスでステレオ再生できるのはいいですね。
Bluetoothのスピーカーはほとんどが一体型のステレオでステレオ音場がなかなか味わえませんでした。
上田:HEOSならワイヤレスでステレオ再生できます。
Bluetoothでステレオ再生するのは通信上のレイテンシー(遅延)などの問題があり技術的に難しいのです。
HEOSは無線LANなので音質だけでなく遅延の面でもメリットがあります。
コンパクトなHEOS 1、1台でステレオ再生できるHEOS 3、オーディオをお持ちならHEOS Link
●HEOSの個々のモデルについてご紹介ください。
上田:まずHEOS 1ですが、こちらはHEOSでいちばんコンパクトなモデルで置く場所を選びません。
●HEOS 1はバッテリーを付けると持ち歩けるんですよね。
上田:HEOS 1 Go PackというHEOS 1専用のバッテリーパックがあります。
これを取り付けると電源がなくても持ち歩けます。
1回の充電で最大6時間の連続再生が行えます。
HEOS 1は防滴仕様になっていますのでバスルームやプールサイドなどの水辺でも音楽が楽しめます。
↑HEOS 1 Go PackはHEOS 1の底面に装着する。着脱もカンタン!
↑HEOS 1 Go Packの充電状況を示す青いLED。フル充電で連続再生6時間が可能。
●続いてHEOS 3をご紹介いただけますか。
上田:HEOS 1でも普通のご家庭であれば充分の音量が出ますが、HEOS 3はフルレンジドライバー を2基搭載していて、かなりしっかりした音が出るスピーカーです。
それとHEOS 3のユニークな点は縦置き、横置きの両方に対応している点です。
↑HEOS 3横置き時
↑HEOS 3縦置き時
●縦置きと横置きでは設置面積だけでなくシルエットが違って面白いですね。
デザイン的にもポストモダンというか、ユニークでいい感じです。
ショップやレストラン、オフィスなどにも似合いそうです。
上田:出力も大きいので、オフィスやショップ、レストランなどでもぜひ使っていただきたいです。
先ほども言いましたがHEOS 3は横置き時は単体でステレオ再生が行えます。
用途に応じて縦、横を使い分けていただけます。
●小さいボックスはHEOS Linkですが、これはどう使うのでしょうか。
上田:Hi-Fiのオーディオやホームシアターシステム、ミニコンポなど、すでにお持ちの音楽再生装置システムにHEOSの機能を追加するものです。
↑ラック上段の中央に設置されているのがHEOS Link
● 具体的にはどう使うのですか。
上田:デノンの社員はよくHEOS Linkを買っていますが、すでにオーディオシステムをお持ちの方で、使い慣れた再生環境でSpotifyなどのストリーミングサービスを楽しみたいという方は、HEOS Linkがいいと思います。
私はホームシアターシステムにHEOS Linkを接続して使っていますが、非常に便利です。
●HEOS LinkはHi-Fiシステムで聴く方にとって音質的にメリットはあるのでしょうか。
上田:HEOS3、HEOS 1は音質重視のスピーカーとはいえ、Hi-Fiオーディオとは考え方が違います。
HEOS Linkにはデジタルアウトがリアパネルに搭載されているのでSpotifyなどのストリーミングサービスの音源も、デジタル出力してDA-310USBなどのDACで高品位なD/A変換をして、高品位なアンプで増幅し、高品位なスピーカーで再生すると、オーディオファンの方が想像しているよりもかなりいい音で楽しめます。
HEOSでストリーミングの楽しさが味わえる
●最後に上田さんが実際にHEOSを使ってみてどんな感想を持ったか教えてください。
上田:マルチルームは本当におすすめです。
この間の休日、家で掃除をしたんですがリビングとベッドルームで同じ曲を流しておくと掃除していて、部屋を移動しても、いつも音楽が流れていて楽しいですよ。
そんな使い方も実際にやってみるとかなり楽しいです。
それとHEOSでストリーミングの楽しさにも目覚めました。
●あまりCDは聴かなくなりましたか。
上田:実はCDはもうほとんど持っていないんです。
以前大量に持っていたCDは、時間をかけてリッピングしてNASに入れ、CDは処分してしまいました。
というのもCDは気に入った曲を探すのも大変ですし、場所も取ります。
ですから基本的には音楽はデータで聴いていましたが、HEOSでSpotifyなどのストリーミングサービスを聴くようになったら、そちらのほうがよく聴くようになりました。
課金制とはいえ月に1000円程度ですから、以前CDを買っていたときを考えるとずいぶん安いなと(笑)。
●私の場合CDもダウンロードも基本的に知っているアーティストの曲を買いがちですが、ストリーミングサービスだといろんな曲が聴けるなと思っています。
上田:そうなんですよ。
私も今までは知っているアーティストのCDを買っていましたが、最近は逆にSpotifyで新しいアーティストを見つけて、そのCDを買ったりしています。
いろんな曲を聴いているうちに、ピンと来たらアーティスト名をチェックしたりできる。
そのような音楽的な拡がりが楽しめるのも、ストリーミングの良い点だと思います。
HEOSは5月のバージョンアップで邦楽に強いAWAも楽しめるようになりますので、さらに楽しさは広がると思います。
●ただHEOSの良さは実際に触れないとわかりにくいかもしれませんね。
上田:そうなんです。
まだ発売したばかりですからHEOSを体験していない方は大勢いらっしゃると思いますが、ぜひ機会がありましたら店頭でお試しいただきたいと思います。
(Denon Official Blog 編集部 I)