PMA-60とPMA-30を聴き比べてみた
デノンのデザインシリーズの新しいHi-FiプリメインアンプPMA-60、PMA-30ですが、この兄弟モデルの音質や使い勝手はどう違うのでしょうか。実際に両モデルを並べて音質と使い勝手を比較してみました。
デノンのデザインシリーズの新しいHi-FiプリメインアンプPMA-60、PMA-30。
両モデルともに外見はソックリの兄弟モデル、PMA-60、PMA-30ですが音質や使い勝手はどう違うのだろうと思われている方も多いと思います。
そこでデノン公式ブログでは実際に両モデルを並べて音質と使い勝手を比較してみました。
USB-DAC搭載プリメインアンプ
PMA-60
希望小売価格:70,000 円(税抜)
製品の詳細はこちらをご覧ください。
プリメインアンプ
PMA-30
希望小売価格:50,000 円(税抜)
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というわけで、発売後大人気となっているデザインシリーズの新しいHi-Fiプリメインアンプ、PMA-60とPMA-30を編集部で試してみます。
まず外見ですが、これはもう双子のようにソックリと言っていいでしょう。
PMA-60とPMA-30の見分け方はボリュームノブとその周囲のエスカッション(ノブ周りの装飾)の違いが一番大きな部分。
PMA-60のボリュームノブは角をダイヤモンドカットで面取りしているのでエッジがシルバーになっています。
エスカッションも同系のデザイン。
PMA-30は樹脂製でエスカッションはシルバー。
そこがデザイン上の違いで、あとはほぼ同じ仕上げになっています。
PMA-60とPMA-30のデザインの詳細については、プロダクトデザインについてインタビューしたエントリーをご覧ください。
「2017年デザインシリーズ PMA-60、PMA-30 デザイナーインタビュー」
聴き比べということで、今回は音源再生用にPMA-60、30にベストマッチのCDプレーヤーにDCD-50を、 そしてスピーカーにはサイズとしても、価格バランスとしてもマッチするDALIのOPTICON 1を用意しました。
PMA-60、PMA-30、DCD-50、DALI OPTICON1を並べるとこんな感じです。ちょうどピッタリのサイズですね。
では、このシステムで手持ちのCDを何枚か用意してきたので順番に再生してみます。
まずはPMA-30で試聴してみます。
なかなか元気のある、はつらつとしたサウンドです。
BabyfaceとEric Claptonが共演している「Change the World」のライブバージョンを聴いてみましたが、ボーカルもギターも伸び伸びとして力強いサウンドです。
ライブのエネルギーが感じられました。
同じ曲を今度はPMA-60で試聴してみます。こちらは音場がぐっと広がり、クリアで落ちついた音の印象。
ライブらしい荒々しいエネルギー感はありながらも、繊細な音の表情や、ミュージシャン通しの音による会話、そして会場の空気感などがより明瞭に見えるように思いました。
いずれもフルデジタルのアンプですが、PMA-60とPMA-30のサウンドに関わる面での違いの一番大きな点は、PMA-30は無帰還型のClass Dアンプであり、PMA-60は帰還型(フィードバック)のDDFAを採用したClass Dアンプであることです。
この帰還回路を持っているかどうかで音のテイストが大きく変わっている気がします。
それともう一つはデノン独自のデータ補間アルゴリズムによるアナログ波形再現技術の「Advanced AL32 Processing Plus」がPMA-60には搭載さています。
そのあたりもサウンドに違いが現れているのだと感じました。
それからこれはPMA-60、PMA-30共通ですが、Bluetoothが使えるのが便利です。
スマホやタブレットとペアリングすればすぐにスマホに入っている曲を聴くことができます。
家でスマホに入った音楽は聴きたいけど、ネットワークなどのシステムはちょっと…、という方にはベストマッチと言えるでしょう。
MP3の曲をPMA-60、PMA-30で聴いてみましたが、どちらもいい音で鳴らしてくれました。
音の傾向はCDを再生した時と近い印象でしたが、PMA-60のHi-Fi的で、正面で座ってしっかり聴きたい音であるのに対し、PMA-30は部屋の中で動きながら聴いてもいい、という感じです。
スマホにBluetoothでつないで気軽に聴く時には、PMA-30のほうがカジュアルに聴けていいと思いました。
またPMA-60、PMA-30はいずれもaptX Low Latencyに対応しており、動画再生時にも音の遅延がほとんどありませんので、スマホやタブレットでの動画再生でも活躍します。
Bluetoothの遅延についてはこちらのエントリーをご覧ください。
「Bluetooth、その音質と遅延について」
最後に、機能面でもっとも大きな違いとしては、USB-DACの有無です。
PMA-60はUSB端子でパソコンと接続でき、USB-DAC経由でDSD 11.2MHz、PCM384kHzまでのハイレゾ音源の再生に対応します。
↑PMA-30のリアパネル。デジタルオーディオ入力はOPTICAL(光)とCOAXIAL(同軸)のみ
↑PMA-60のリアパネル。OPTICAL(光)とCOAXIAL(同軸)に加えUSB-DAC端子が装備されている。
というわけでMacBookとPMA-60をUSB端子で接続してみました。PCとプリメインアンプ、スピーカーをデスクトップに置けるのは、コンパクトなデザインシリーズならでは。
画像では横置きですが、縦置きもできるので仕事をしながらいい音が楽しめます。
PCで音楽を楽しむのであれば、PMA-60がベストチョイスです。
というわけで編集部で聴き比べてみたPMA-60、PMA-30。
一見ソックリのような2台ですが、音質や使い勝手はかなり個性が異なると感じられました。
もしPMA-60か、PMA-30と迷われているのであれば、どんな音質が好きなのか、どんな聴き方が多いのか、またはCDプレーヤーやテレビなどにつなぐのか、PCにつなぐのか、など使い勝手でチョイスは異なります。
ぜひ一度店頭や試聴会などでPMA-60、PMA-30の音質と使い勝手をお確かめください。
(編集部I)