桐嶋ノドカ ヘッドホンライブ「souzou no oto」supported by DENON
シンガーソングライターの桐嶋ノドカさんが『「souzou no oto」supported by DENON』と題したヘッドホンライブを開催しました。使用したモデルはAH-D5200とAH-D1200。その様子をレポートします。
デノンのインイヤーヘッドホンAH-C820を愛用しているということで先日、本ブログのインタビューに登場していただいたシンガーソングライターの桐嶋ノドカさんですが、去る3月25日「桐嶋ノドカ ヘッドホンライブ「souzou no oto」supported by DENON」が東京・表参道にあるNOSE art garageで開催されました。
観客は全員デノンのヘッドホン新製品を装着してライブを聴くという、ユニークで意欲的な取り組みをリポートします。
デノンオフィシャルブログ「桐嶋ノドカ インタビュー&無人島CD、この1枚」はこちらから。
『桐嶋ノドカヘッドホンライブ「souzou no oto」supported by DENON』は、通常のライブのようにPAシステムで客席に向かって声や演奏を拡声するのではなく、ヘッドホンを使って直接ひとりひとりの耳もとで再生するスタイルのライブです。
ヘッドホンライブといえば、1981年に大瀧詠一が渋谷公会堂で行ったライブが有名ですが、その時は客席への音声の伝送はFM波を使ったのだとか。
今回はデノンのヘッドホン新製品、AH-D5200(発売中)、AH-D1200(4月下旬発売開始予定)とヘッドホンアンプを全客席に用意し、PAミキサーから直接優先のアナログ回線で伝送するという、音質を重視したスタイルの開催となりました。
オーバーイヤーヘッドホン
AH-D5200
製品の詳細はこちらをご覧ください。
(ブラックモデル)
オーバーイヤーヘッドホン
AH-D1200
製品の詳細はこちらをご覧ください。
始まる前のBGMから、高音質でじっくり楽しめるヘッドホンライブ
『桐嶋ノドカヘッドホンライブ「souzou no oto」supported by DENON』が開催されたのは、表参道にあるNOSE art garageという個性的なアートスペース。
それぞれの座席にはデノンのヘッドホンとヘッドホンアンプが用意されました。
アートスペースだけあって、壁に絵が飾られていたり、天井からドライフラワーが吊されていたりと、普段音楽を聴くようなライブハウスやコンサートホールとは違う趣。
アーティスティックな雰囲気が、ふだんとは違うヘッドホンライブらしい空気感を醸し出しています。
ライブが始まる前のBGMもPAではなくデノンの新しいヘッドホンで聴けるので、よくあるザワザワしたコンサートの開演前の雰囲気とは違い、とても良い音で音楽を楽しみながらゆっくりと開演を待つことができました。
ちなみに私(編集部I)はAH-D5200を使いましたが、BGMのノラ・ジョーンズの曲の音の解像度が非常に高かったので、ぐんぐん音楽に引き込まれてしまいました。
これでライブを聞くと思うとどれほど音が良いのだろうかと、本番が楽しみになりました。
↑ヘッドホンライブではAH-D1200のホワイトモデルも使用された。ブラウンが印象的な美しい色合いがこの空間にピッタリ!
桐嶋ノドカさんのボーカルが、ダイレクトに耳もとに!
ほどなくして桐嶋ノドカさんが登場。ノドカさんはAH-D5200を使用。
「今日はデノンさんのご協力で、いつもと違うライブをやります」、という挨拶とともに、山本健太さんのピアノ伴奏で『夜を歩いて』を熱唱しました。
コンサートのPAで聴く歌声とは違い、ヘッドホンをつかって耳元で聴く桐嶋ノドカさんの声の質感、リアリティ、そして近さは通常のコンサートでは味わえないもの。
音質や繊細さはCD以上なのに、間近で桐嶋ノドカさんが歌ってくれているのでライブ感もあって、実に不思議な感覚です。
私もはじめてのヘッドホンライブでしたが、ヘッドホン越しに聴く歌声の生々しさに驚きました。
CDのように録音されてミックスされた音源よりもリアリティが強烈で、まるで自分だけのために歌ってくれているような気がしてきます。
音の良さと音源の近さに、一対一の親密さを感じました。
ヘッドホンライブでの声の生々しさを特に強く感じたのは、実はMCでした。
桐嶋ノドカさんも、大きなコンサートホールの時のように大勢に話す口調ではなく、ひとり一人に向かってお話ししているような口調でのMCで、しかも音が抜群にいいので、あり得ないほど高音質の電話で桐嶋ノドカさんと直接話をしているような気持ちになります。
ギターの弾き語りやルーパーを使ったパフォーマンスなどを披露
この日は「普段私がどんな風に音楽を作っているのか、歌っているのかを見てもらおうと思います」というMCとともに、ピアノの弾き語りで『恋愛小説』、続いてご本人も人前で弾くのは初めてというギターの弾き語りで『君とチュー』。
そっと爪弾くアコースティックギターの音と、囁くような歌声が楽しめるのは、ヘッドホンライブならでは。ほんのちょっとのニュアンスも、本当に良く聴こえます。
中盤は最近凝っているというループマシンを使った演奏となりました。
ルーパーとは今歌ったフレーズをその場でループ再生させながら、その上に次々と新しい音を重ねていくことができるエフェクター。
桐嶋ノドカさんは、一人でコーラスをハモって重ねていき、さらにボイスパーカッションでドラムサウンドまで作って、それをバックトラックとしてエド・シーランの『シェイプ・オブ・ユー』をカバー。
ルーパーの操作するときの緊張感は、レコーディングスタジオでの音楽制作の緊張感を連想させます。
続いて、シンセサイザー音源を使ったバックトラックでシーアの『シャンデリア』もカバー。
桐嶋ノドカさんの伸びのある高音の歌声が、ヘッドホンを通じてダイレクトに耳に響いてきます。
↑写真左側のマイクがルーパー用のマイク。ルーパーを使って自分の声でバッキングのトラックを作ってその上で歌う桐嶋ノドカさん。
ヘッドホンライブの途中で試しにヘッドホン外してみました。
会場は決して無音ではありませんが、ほとんど生活音レベルの音量の音しか聞こえてきません。
今、ここでライブで歌を聴いているとは思えない環境です。
そしてまたヘッドホンをすると、桐嶋ノドカさんの声が、耳に非常に近いところで聞こえるので、歌と音楽に没入できます。
このギャップがヘッドホンライブのユニークさだと思いました。
ヘッドホンは通常、CDなど録音されたものを聴くことが普通ですが、今ここで行われているライブの音をヘッドホンで聴くというのは、リアリティと細部まで聴き取ることができてなかなか斬新です。
さらに今回はヘッドホンアンプが各座席に用意されていたので、ライブの音量を自分の好みの音量にすることができました。
ライブの音量を自分の好みで変えられる、そんなこともヘッドホンライブでなければ体験できないことでしょう。
レコーディングスタジオで聴いているような『言葉にしたくてできない言葉を』
ヘッドホンライブもいよいよ佳境に。
再びキーボーディストの山本健太さんを迎え、自らのルーツとなる曲としてイーグルスのバラード『Desperado』を。
【カヴァー動画公開】
3/25(土)表参道NOSE art garageにて開催された、桐嶋ノドカのヘッドフォンライブ!
このライブで披露されたDESPERADO/The Eaglesのカヴァーを当日の音声そのままでお届け!是非お気に入りのヘッドフォン、イヤフォンでお楽しみ下さい。
フルはこちらhttps://t.co/Q1f8SDs3aD pic.twitter.com/QWf4DIBPEj
— 桐嶋ノドカ (@nodokakirishima) 2018年4月2日
そして「今日は手が届くところで、ていねいに歌うことができたと思います」というMCとともに、最後の曲『言葉にしたくてできない言葉を』。
ささやくような歌い出しと、サビでの力強い高音のダイナミックス、そして感情がそのまま声になったようなリアルさ。
この声の質感はヘッドホンライブでなければ克明に味わうことはできないでしょう。
通常のライブとはひと味もふた味も違う、ヘッドホンライブ、ぜひまた見てみたいと思いました。
最後に参加した方に感想を聞いてみました。
「ライブより生っぽい桐嶋ノドカさんの声が味わえました」
なんさん
私は桐嶋ノドカさんのファンで、今日は新潟から来ました。
彼女の声は聴いていて幸せになる歌声です。
桐嶋ノドカさんのライブはよく見ていますが、今日はヘッドホンライブだったので、息づかいや小さな音までダイレクトに聞こえて、いつものライブよりも、さらに生々しい桐嶋ノドカさんの声が味わえました。
贅沢な体験ができたと思います。
ヘッドホンはとてもリアルな音でした…始まるまでは慣れなくてボリュームの調節などをしていましたが、ライブが始まってからはヘッドホンのお陰で歌に集中できたと思います。楽しかったです!
「声の質感をストレートに感じることができて、とてもよかった」
金井勇樹さん
桐嶋ノドカさんの力強い声が以前から大好きなのですが、今日はヘッドホンで、耳の近くで聴くことができてとても良かったです。
声の質感の素晴らしさをストレートに感じることができました。
ヘッドホンライブというものは初めての体験でしたが、普通のライブと違って常に音がセンターに来ますよね。
これが普段のライブとの一番の違いだと感じました。
それと、今日はじめてデノンのヘッドホンをつけてみたんですが、柔らかい音でとてもいいなと思いました。
音との距離が離れすぎず、近すぎずちょうどいいです。
ライブの間、1時間ぐらいずっとヘッドホンをかけていましたが、まったく疲れませんでした。
装着感も良かったです。またぜひヘッドホンライブをやってほしいです!
(編集部 I)