DMD-S10の主な特長
■ デジタル録音/アナログ録音の双方で24bitの高精度処理を実施
デジタル信号の録音においては、16bit〜24bitの入力信号をDENON独自の高音質技術AL24Processingにより24bitデータに拡張。また、アナログ信号での録音では、入力信号を128倍オーバーサンプリング・エンハンスト・デュアルビット方式のΔΣ24bitA/Dコンバーターによりアナログ信号を24bitのデジタル信号に変換します。この24bitのデジタル信号を受け、最新ATRAC-ICでの高精度24bit演算処理によって、従来に無い高品位な録音を可能にしました。このハイビット処理による録音は、音像定位にすぐれ、奥行きのある豊かな音場の再現が得られるばかりでなく、微小レベルでのリニアリティーの良さや再現性の良さを実現しました。
■ 再生系にも、進化したアナログ波形再現技術AL24 Processingを搭載
量子化歪みをさらに低減させたことをはじめ、次世代のメディアとして注目されるハイビット化、ハイサンプリング化にも対応させるため開発されたDENON独自のアナログ波形再現技術AL24 Processing。再生系にもこのAL24Processingを搭載。デジタルデータとしてソースに記録された時に失われた信号の補間を行い、録音以前に存在したはずの音に限りなく近い滑らかなアナログ波形で再現します。また、16〜24bitのデジタル入力に対応し、内部演算処理により24ビットのクオリティでの出力を得ることを実現。音楽再生におけるホールに吸い込まれるような残響音の微小なレベルまでリアルに再現します。
■ さらに再生精度を高める4DAC構成を採用
AL24Processingにより得られた24bitのハイクオリティデータを忠実にD/A変換するため、マルチビット方式 24bitD/Aコンバーターを採用。さらに、この高精度D/Aコンバーターを、片チャンネル2個づつ差動動作させて高精度処理を行う4DAC構成で搭載。原理的にゼロクロス歪みを解消するΛS.L.C.の搭載とあいまって、微小信号までもリアルに再現し、透明感のある音の微妙なニュアンスを表現しきります。
■ 高精度のDACユニットとしても使用可能
次世代メディアとして登場が予定されているハイビット、ハイサンプリング・メディアの24bit、96kHzデジタル信号のモニターが可能なばかりでなく、AL24 Processorと24bitD/Aコンバーターにより録音機としてのみでなく高精度アナログ変換を行うDACユニットとしても使用可能です。
■ ノイズの徹底排除を考えた防振構造を採用
振動の発生源であるメカユニットは、銅メッキ鋼板によるシールドを採用。ディスクを保持するカートリッジホルダーにはフッ素樹脂による特殊コーティングを施し、再生時の振動の抑止しています。さらに駆動部を中央にレイアウトし安定した駆動と振動の抑止を得たセンターメカレイアウトを採用。さらに、高剛性銅メッキシャーシに強固に固定しています。また、銅メッキの採用により高周波ノイズの回路への干渉や外部への流出をシャットアウトしています。15mm厚のフロントパネル、2重のトップカバー、3重のボトムカバーでがっちりと固めた強靭な構造により振動を徹底的に排除しています。外部からの振動を排除するインシュレーターは吸振素材を貼り付けた焼結合金インシュレーターを採用。内部、外部からの振動による音質への影響を抑えクリアな音質での録音・再生を可能にしています。
■ 高音質パーツをおしみなく採用
電源トランスは、オーディオ系とデジタル系それぞれ独立して搭載。回路基板も電源部、オーディオ部、デジタル部、メカユニット部を分離し、回路間の相互干渉を排除しています。また、着脱式のOFC極太ACコード、高音質コ ンデンサー、高音質抵抗などDENON「Sシリーズ」で開発し、高い性能を発揮したパーツを惜しみなく採用しています。
■ 編集作業のスピードアップを図る編集ダイレクトキー&キーボード入力端子を装備
「イレース」、「ムーブ」、「デバイド」、「コンバイン」、「ネーム」、「UNDO」の各編集キーを独立して配置。それぞれのキーを押すだけで希望の編集モードになります。また、IBM/PC互換日本語106キーボード(別売、市販品)の入力端子を装備。NAME入力だけでなく、ほとんどの操作をキーボードからでも指示できます。
■ 素早い録音を可能にする充実の新機能
録音時の設定でたびたび変更することのない項目をあらかじめ本体に記憶させおけるSETUP機能を新搭載。"ミュージックシンクロのON/OFF、レベル設定"、"シンクロ・メモリー時間の設定"、"フェードイン時間の設定"、"フェードアウト時間の設定"など9項目の設定を記憶させておくことが可能です。
■ さらに緻密な録音を可能にする新シンクロメモリー・レック
従来のミュージックシンクロ録音の録音開始部で制作者が意図した無音部や低レベル部分が録音されないという状況を解消するため、シンクロメモリーの時間設定を0〜2秒の範囲で可変可能としています。
■ TOC WRITE機能を新搭載
メカまかせだったUTOC情報の書き込みを、ボタン操作だけでいつでも記録できる機能です。これにより万一の停電などでUTOC情報を失うことがありません。またUTOC更新時にはディスクリカバリー機能が作動します。
■ MDを使いこなす多彩な機能を満載
移動したい複数の曲を一括して移動可能な「プログラムムーブ」機能をはじめ、実行した編集作業をキャンセルし元に戻せる「UNDO」機能。ブランクディスクを挿入した際に自動的に認識してレックポーズ状態になる「オートレックポーズ」機能。2点を指定するだけで、その間を簡単に消去できる「A-B間イレース」機能。ディスクネームやトラックネームを個々に消去できる「ディスクネームイレース」機能と「トラックネームイレース」機能。一度に全てを消去できる「オールイレース」機能。編集結果をあらかじめ確認できる「リハーサル」機能。MDの本来あるべき録音時間に近づける「オートディスクリカバリー」機能。曲の途中でも"この曲録音したい"と思ったときに、その曲の頭から録音できる「MD PICKREC」機能を搭載。また、「デバイド」、「コンバイン」、「ムーブ」、「イレース」などMDの使いこなしの範囲を広げる多彩な編集機能を搭載しています。
■ デジタルRECボリウムを装備
デジタルソースからの録音の際に+12dB〜-∞の範囲で録音レベルを自由に調整できるデジタルRECボリウムを装備。また、L/R独立のアナログボリウムも装備し、より高品位なサウンドでの録音を可能にしています。
■ BS/CS放送のエアチェックに対応したサンプリングレートコンバーターを搭載
BS/CS放送やDATの32kHz、48kHzのサンプリング周波数を自動的にMDの44.1kHzに変換するサンプリングレートコンバーターを搭載。オリジナルソースづくりの幅を広げます。
■ 豊富な入力端子を装備
デジタル入力端子は、光、同軸各2系統を装備。デジタル出力端子も光、同軸の2系統を装備しています。また、アナログ入出力端子には1Pin独立の大型セパレートタイプを使用しています。
DMD-S10の主な仕様
- 再生方式:非接触光学方式(半導体レーザー使用)
- 録音方式:磁界変調オーバーライト方式
- ワウ・フラッター:測定限界(±0.001% W.PEAK)以下
- サンプリング周波数:44.1kHz
- 周波数特性:4Hz〜20kHz
- 全高調波歪率:0.002%(1kHz)
- SN比:110dB(ライン出力)
- ダイナミックレンジ:105dB
- 電源:AC100V(50Hz/60Hz)
- 消費電力:28W
- 外形寸法:W434×H135×D354mm
- 質量:13.0kg