DENONは、放送局をはじめとする業務用機に代表される高信頼性、高忠実度再生テクノロジーを一貫して駆使してまいりました。
高精度磁気記録検出によるスピードサーボをいち早く開発し、ACサーボモーター等と共に回転性能を大きく向上してまいりました。更に水晶発振器による位相制御、新開発ハイトルク3相ACモーターの採用等によって限界値まで回転性能を高めることが可能になりました。現在、水晶発振器による位相制御されたハイトルク3相ACモーターは、レコード制作時のカッターレーサーや業務用ターンテーブルに採用され、レコードメーカー放送局各社で活躍しております。
今回発売するDP-100は、更にグレードの高さを求め、ハイトルク3相ACモーターと厚肉アルミ鋳物による堅牢フレームを主体とし、更に音質劣化の要因となる外部振動、アコースティックフィードバックによる外部影響を効果的に減衰できる「二重構造ターンテーブル」、「アームベースフローティング構造」、カットオフの低い強力インシュレーター等を採用しています。また、音質劣化の原因となる様々の問題点を一つ一つ解決しながら十分な測定と試聴を繰り返し、グレードの高い再生音質を追求した超高級プレーヤー(アームレス)として完成させました。
主な特長
1) アウトローター形ハイトルク3相ACモーター採用
本機のモーターには、カッターレーサー、業務用プレーヤーとして開発されたハイトルク3相ACサーボモーターを採用しています。
- AC三相駆動のため、3の倍数次高調波の打消しができ大変滑らかな回転が得られます。
- シャフトは14mmφのステンレス系材料を高精度ラップ仕上げをしています。
- ラジアル軸受は、回転体の測定器等の軸受にも使用されている銅錫合金を高精度ラップ仕上げをしています。
- スラスト軸受は、重量級ターンテーブルにも耐える鏡面仕上げしたサファイヤを採用し、ターンテーブルに8G以上の外力が加わると緩衝機構が働らきます。
- DENON独自の磁気記録検出方式を更に高精度化した対向2個の検出ヘッド、サーボ回路、高精度軸受等によりワウ・フラッター0.003%(回転系)を得ています。
- トルクは、慣性モーメント1,260kg・cm2(ターンテーブルシート、ローターを含む)のターンテーブルをす早く応答させる10kg・cmのハイトルクとして、立上り時間0.4秒(33・1/3)という早い起動特性を得ています。
- 負荷特性(0%)は、針圧1.5kg(最外周)以上と高くなっています。
2) プリュイッド(流体)ダンパーとスプリングによる二重構造ターンテーブル
二重ターンテーブルの防振効果は、DP-80等ですでに実証済となっています。
モーターと直結した下部ターンテーブルと3ケ所のスプリング板および、フリュイッドダンパーにより連結されています。
上部ターンテーブルと下部ターンテーブルは、回転方向には一体構造となっておりターンテーブルの回転ずれは生じません。
- アコースティックフィードバックや、外部からの振動の影響による音質劣化を防ぎ、更にハウリングマージンを高めることができます。
- ターンテーブルの固有振動も、二重構造のオイルダンパーや振動吸収減衰効果の大きいターンテーブルシートにより吸収減衰させています。
- 6.5kgの厚肉アルミ鋳物ターンテーブルは、滑らかなハイトルクモーターと優れたサーボ系等とあいまって、大きな外乱の影響にも極めて安定度の高い滑らかな回転が得られます。
3) フローティングアームボード
二重構造ターンテーブルの原理をアームボードフローティング構造にも採用いたしました。
4ケ所のスプリング板とオイルダンパー材により、フレームからの振動を遮断するとともに、アコースティックフィードバックによる外乱工ネルギーや鳴き現象を吸収減衰させています。
4) スプリングとオイルによる大型インシュレーター
プレーヤーの外部からの振動を効果的に防止するため、スプリングを使いカットオフ周波数を3.5Hzと低い値に設定するとともに、オイルダンパーの粘性抵抗によって振動伝達を効果的に防止しています。
5) 振動防止効果の高いアルミ鋳物フレーム
フレームは十分な強度を考慮した形状の厚肉アルミ鋳物製です。フレーム内のカバー、回路部品、トランス等は、振動防止のためフローティング構造にしてあります。
6) 3スピード、デジタル表示ピッチコントロール付
回転数は、33・1/3、45、78rpmの3スピードとなっています。
ピッチコントロールは、クオーツのままで0.1%ピッチで±9.9%まで変化できます。
回転を早くしたい時はhigh、遅くしたい時はlowのボタンを押します。1度押すごとに0.1%、押し続けると連続的に変化させることができます。
表示は、H(High)またはL(Low)何%とデジタル表示します。また、normalを押すと瞬時に定格回転数にリセットできます。
回路
DENON独自の磁気記録検出方式を更に高精度化したサーボ系
スピード検出に、下面ターンテーブル外周に高精度で磁気記録された1000個のパルスを磁気ヘッドで検出する方式を採用しており、検出周波数が高くとれサーボを安定に、しかもゲインを高くでき、オーバーシュートやワウ・フラッターが非常に少なくなっています。
更にワウの精度を高めるため、パルス検出ヘッド2個をターンテーブル軸を中心に対向する位置に取付け、磁気パルス記録面の極くわすかな偏心を相互にキャンセルする方式を採用しました。この結果、回転系のワウは測定限界値とも云える0.003%w.r.m.sを得ています。
- 水晶発振器によるフェーズロックドサーボ方式の採用でスピード偏差±0.002%以下。
- 両方向性サーボと電子ブレーキによりスピード切換時の動作は滑らかです。
使用アームについて
取付可能アームの有効長は282〜292mmとなっています。受註時にご使用アームを指定いただき、アームボードに穴あけ加工して納入いたします。
主な仕様
- 駆動方式:サーボ式ダイレクトドライブ
- モーター:アウターローター形AC三相サーボモーター
- スビード制御方式:周波数検出によるスピードサーボ及び位相サーボ
- 回転数:33・1/3、45、78rpm
- 回転数微調範囲:±9.9%(0.1%ピッチ)(回転数微調時もスピードサーボ及び位相サーボ)
- ワウ・フラッター:
・0.003%w.rms(回転系)
・0.02% w.r.m.s(JIS測定法)
- SN比:90dB(DIN-B)
- 起動トルク:10kg・cm
- 起動特性:0.4秒(33・1/3rpm時)
- 負荷特性:最外周針圧1.5kgの負荷に対して0%
- 電源電圧特性:90〜110Vの変動に判して0%
- プレーキ:電子式ブレーキ
- 回転数偏差:0.002%
- ターンテーブル:下部アルミ鋳物、上部アルミ鋳物の二重構造。フリューイッド・ダンプ方式(重量6.5kg)
- 慣性モーメント:1,260kg・cm2(回転部)
- アームボード:アルミ鋳物・フリューイッドダンプ方式
- フレーム:アルミ鋳物
- インシュレーター:コイルスプリングとフリューイッド・ダンプ
- 重量:46kg
- 寸法:(W)570×(D)465×(H)285mm
- 消費電力:35W