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 (昭和51年)

「オープンデッキに迫るテープ走行性能」
「録音EQ3段切換、バイアス連続可変調整方式採用」

カセットテープデッキ
DR-370
\89,800

■1976年8月


DR-370は、カセットのメカニズムに対する位置精度を高める保持機構と自動調芯式ハブ駆動によるATR(Accurate Tape Running)機構をとり入れ、しかもシンクロナスモーター等の採用で、テープを正確に、しかも滑らかに走行させ、ワウ・フラッター0.058%wrms以下、テープスピード偏差±0.5%以内というオープンデッキに迫る性能をもっています。
録音アンプはイコライザー3段切換、バイアス連続可変調整方式の採用で、各種テープの特性をいかし、最良の録音、再生ができるよう設計されています。また、ドルビー回路の内蔵、電源トランスにカットコアーを使用する等、SN比の向上を計っています。ワンタッチイジェクト、4-1操作ボタン等操作面にも細かい配慮がなされている正立傾斜形高級カセットデッキです。


主な特長

1)カセットを正確に固定する精度の高い保持機構と自動調芯ハブ駆動によるATR機構を採用

A. カセットを正しい位置に固定する独白の保持機構を採用。

4本の高さ規正ピンとホルダーやプッシュレバー等でカセットを正確な高さでしっかり保持します。ガイドローラーのほぼ上下位置でカセットを確実に固定しますが、高さ規正ピンの間隔を従来より広くしているので、テープ走行方向と、キャプスタン軸との直角度は正確になり、安定したテープ走行性能が得られます。このためメカニズムとカセットの相対位置精度が良くなリワウ・フラッターやレベル変動等が極めて少なくなっています。また、ヘッドタッチやピンチローラーの高さ調整機構によるトラックずれが少なくなるため正確なヘッドタッチが得られ、ATR機構とあいまってチャンネル間の移相変動が大変少くなっています。

B. 自動調芯式ハブ駆動を採用

当社独自の機構により、カセットテープのリールハブがメカニズム台に密着し、しかもリールハブの偏心を少くしているので、リール台1回転に数回発生する縦振動(バーチカルショック)を除き滑かなテープ走行が得られます。また、早送り、巻戻し時にリールハブとリール台のガタつきが無いので、テープはきれいに巻取られます。

2)ヒステリシスシンクロナスモーター使用のドライブ機構でテープスピード偏差±0.5%以内

キャプスタンモーターに高性能ヒステリシスシンクロナスモーターを使い、精度の高い平ベルト、超仕上げのキャプスタンシャフト等とATR機構とあいまってワウ・フラッター0.058%wrms以内、テープスピード偏差±0.5%以内、しかもテープの巻始めと巻終りのテープスピード偏差0.08%以内というオープンデッキ並の性能を得ています。

3)録音イコライザー3段切換バイアス量は連続可変調整方式を採用

録音イコライザーは3段切換(LH, CrO2, FeCr)バイアス量は連続可変調整方式を採用しています。テープ別調整表により前面のイコライザー切換、バイアス調整ツマミで使用テープの最適なイコライザー、バイアス量を与えることができますので、リニアリティと周波数特性を最良の状態にすることができます。

4)ドルビーシステム内蔵

信頼性の高いIC化されたドルビーシステムを内蔵していますので、SN比の良い録音・再生ができます。1kHzで5dB、5kHzで10dB、 S/Nが改善されます。

5)その他の特長

A. 全面可視の正立傾斜機構

カセットテープを垂直から12°傾斜させることによって、カセットテープ全面が見易く、また、メカニズムは自重効果によって、各部の動きを安定させ、性能と操作性の向上をはかっています。
録音・再生中でもカセットレーベルにメモすることができます。また、テープの残量表示照明が採用されています。

B. ワンタッチイジェクト機構

どの動作中からでもワンタッチでカセットテープを取り出すことができます。
ストップボタンを押さなくてもイジェクトボタンを押せば動作が停止し、カセットウインドが開き、オイルダンプ機構によってカセットテープが手前に静かにでてきます。

C. 4-1操作ボタン機構

REC, REW, FF, PLAYの4ボタンと軽動作のSTOPボタンを上下に配置した4-1ボタン機構を採用していますので使い易くスピーディーな操作ができます。

D. タイマー録音タイマー再生が可能

市販のタイマーを使い、任意の時間に録音、または再生のスタートが出来ますので、留守時の録音やセットした時刻における再生等に便利です。

E. バックライト形ピークレベル指示メーター

バックライト方式の採用で、見やすく目が疲れません。また、ピーク指示スケールは-30dBから+5dB(対数目盛)と広くとっています。応答性が早いので変化の激しい曲でも録音レベルのピーク値を容易にチェックできますので、歪の少ない適正レベルの録音が容易になります。

F. メモリーリワインド機構

巻戻しのとき、テープカウンターが999になると自動的にストップする機構になっていますので、テープを録音スタート位置まで巻戻すのに便利です。


DR-370主要規格

  • 形式:正立傾斜形4トラック2チャンネルステレオカセットテープデッキ
  • 使用半導体:
    ・トランジスター・・・25個
    ・IC・・・3個
    ・SCR・・・1個
    ・ダイオード・・・24個
    ・発光ダイオード・・・1個
  • ヘッド:
    ・録音・再生ヘッド(フェライト)
    ・消去ヘッド(ダブルギャップ・フェライト)
  • 使用モーター:4極ヒステリシス・シンクロナス・モーター
  • テーフスピード:4.8cm/sec
  • スピード偏差:±0.5%以内(巻き始めと巻き終りのスピード偏差 0.08%以内)
  • 早送り時間:C-60カセットテープにて約95秒
  • 巻戻し時間:C-60カセットテープにて約75秒
  • 使用カセットテープ:C-60、C-90、C-120、カセットテープ
  • 使用テープの種類:クローム、ローノイズ・ハイアウトプット、ローノイズ、フェリ・クローム、ノーマル・テープ
  • 録音バイアス:約100kHz(バイアス量はクロームテープ位置に対して約+5%〜-35%調整可能)
  • 総合SN比(3%T.H.Dレベルに対して):
    ・クロームテープ:56dB以上(ドルビーNRスイッチOFFにて)
    ・L.H.テープ:55dB以上(ドルビーNRスイッチOFFにて)
  • ドルビーNRスイッチONにてS/N改善量:1kHzで5dB、5kHz以上で10dB
  • 総合周波数特性:
    ・20〜17,000Hz(クロームテープ)
    ・20〜14,000Hz(L.H.テープ)
  • チャンネルセパレーション:30dB以上(1kHz)
  • クロストーク:58dB以上(1kHz)
  • ワウ・フラッター:0.058%wrms以下
  • 入カ(マイクロホン):-69dB(インピーダンス50KΩ不平衡)
  • 入力(ライン):-20dB(インピーダンス50KΩ不平衡)
  • 出力(ライン):-6dBm(O.39V)(適合負荷インピーダンス10KΩ以上)
  • 出力(ヘッドホン):0.8mW(適合負荷インピーダンス8Ω)
  • ACアウトレット端子付アース端子付
  • 付属品:ヘッドクリーニングセット 1セット、並行PINコード 2セット
  • 電源:AC100V 50/60Hz
  • 消費電力:18W
  • 外形寸法:446W×165H×300L(mm)
  • 重量:約8.5kg

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