テープデッキを創りつづけて30年
テープデッキのいわば創生期ともいえる昭和25年、DENONテープデッキ第一号機「TR-25B」型が生まれて、今年で30年を迎えました。
この間、培われた幾多のノウハウから、「高音域のレベル変動こそ、デッキの音を濁す原因である。」との基本ポリシーを確立しました。DENONテープデッキは、このポリシーに基き設計されています。
最近のカセットデッキの性能向上はめざましいものがあります。さらに、ユーザーは、ワイドレンジ録再化、ダイナミックレンジの拡大を要求しており、この声に応え新しいタイブの3ヘッドカセットデッキを開発いたしました。
新しい3ヘッドシステムでは、新たにテープ走行特性が飛躍的に向上し、なおかつ「テープ保護」をも実現した画期的なメカニズム、テンションサーボセンサーの開発、搭載により、今まで不可能とさえ言われた高音域レベル変動の激減を達成した3ヘッドカセットデッキを完成いたしました。
テンションサーボセンサー搭載モデル第一弾としてDR-F2を発売いたします。
3HEAD時代への疑問
●高音域レベル変動を押さえられないか → テンションサーボセンサーで解決
●カセットデッキのアンプをグレードアップする必要はないか → オールDCアンプ構成 ハイゲインローインピーダンスアンプ搭載
●カセットデッキのメカニズムの耐久性は問題ないか → 完全独立形2モーター ノンスリップリールドライブ採用
●音の良いデッキも操作性が良いほうが良いのではないか → AUTO CUE REVIEW ワンタッチレック/ポーズ/ミュート
カセットデッキの次元を超えたメカを搭載
カセットハーフ内には、テープガイド、ガイドローラー、リール台等多くの摩擦部分が存在します。
DENONテンションサーボセンサーは、テープそのものにサーボを帰還しているため、カセットハーフの精度によってサーボの応答性や量が変化することがありません。
キャプスタンとビンチローラーで駆動されるテープは、プレッシャーポストと消去ヘッドの間にはさまれ、バックテンションが与えられ、R/Pヘッド面に適度な圧力が発生します。
バックテンションが弱まると、テープがたるみ、サーボアームが上部に移動し、それにつれ消去ヘッド−プレッシャーポスト間の圧力が強まり、R/Pヘッドには、一定のテープ圧力が回復します。
バックテンションが強まると、テープが張られ、サーボアームが下部に移動し、それにつれ消去ヘッド−プレッシャーポスト間の圧力が弱まり、R/Pヘッドには、一定のテープ圧力が回復します。
このように高い感度が与えられたサーボセンサーの動きにより、プレッシャーポストと消去ヘッドの間にはさまれたテープは温度、湿度に関係なく、常に一定の圧力ではさまれます。このためR/Pヘッドとテープの圧着力も常に一定となり薄いテープも安心してかけられるというわけです。
テンションサーボセンサーの効果
デッキのアンプもDC化時代
- ダイレクトカッブリングヘッド(lnput Condenser Less)
- ±2電源差動入力PUSH-PULL DC AMP構成
- ハイゲインローインピーダンスアウトプット:出力775mV(200pwb) 出力インピーダンス1kΩ
主要規格
- 形式:4トラックステレオ
- ヘッド:
・録音・再生:F-ALLOYコンビネーション(アフターモニター可能)
・消去:ダブルギャップフエライト
- モーター:
・キャプスタン:FGサーボDCモーター
・リール:スピードコントロールDCモーター
- アンプ:オールDCアンプ構成
- ワウ・フラッター(JlS):0.04%WRMS以下
- F特:
・METAL:[20〜22000Hz]30〜21000±3dB
・FeCr:[25〜21000Hz]30〜20000±3dB
・CrO2:[25〜2/000Hz]30〜20000±3dB
・NORMAL:[25〜20000Hz]30〜19000±3dB
- SN比:67dB DOLBY-ON(METAL)
- 歪率:0.7%(NORMAL)
- チャンネルセパレーション:40dB以上(1kHz)
- クロストーク:65dB以上(1kHz)
- 入力:
・ライン:70mV(-21dB)50kΩ
・マイク:0.3mmV(-67dB)10kΩ
- 出力:
・ライン:775mV(0dB)10kΩ(200pwb)
・ヘッドホン:1.2mW 8Ω〜2kΩ
- 出力インピーダンス:1kΩ(VR-MAX)
- テープ巻取時間:85秒(C-60)
- 電源:AC100V 50/60Hz
- 消費電力:22W
- 外形寸法:(W)434mm×(H)117mm×(D)300mm
- 重量:7.0kg
- リモートコントロール:RC-55(別売)