SINCE 1972 WE'VE MADE DAT
デジタルの歴史はいつもDENONとともに語られる。
1972年、DENONは世界に先駆けてプロ用PCM/デジタル録音機を開発、今日のデジタル・オーディオ時代に先鞭をつけました。
DENONはさらに原音忠実再生の研究を続け1989年にはLAMBDA S.L.Cを開発、CDプレーヤーの音質を飛躍的に向上させました。
これらの伝統と技術の蓄積がDATの中にも見事に結晶化、ここにDTR-2000Gが生まれました。
プロ用デジタルオーディオ技術が息づく高精度AD/DA変換
【再生側】音質重視のDENONデジタルオーディオがさらに純度向上
■ デジタル的にゼロクロスひずみを消すDENON独自の新技術
“LAMBDA S.L.C”は、LAMBDAプロセッサーにより信号データにデジタル段階でバイアスをかけ(デジタルバイアス)、信号を+と-の二つに分けます。そして、D/Aコンバーターの後でそれを波形合成する方式です。(図-1参照)
特にゼロクロスひずみが問題となる小振幅のとき、+と-の二つのデータの中にはゼロクロス点が含まれないため、合成されたアナログ出力には、原理的にゼロクロスひずみが発生しません。(図-2参照)
また、データを二つの異なったデータに変換してから合成するため、元のデータが持っていたひずみ成分は、合成後には分散・平均化され、ひずみのレベルは1/2に減少します。データが元のゼロクロス点を横切るレベルでは、ひずみが発生する可能性がありますが、これは従来のS.L.Cの補正で除去できます。
以上のように“LAMBDA S.L.C”は、ゼロクロスひずみが発生しないリニアリティに優れた再生ができ、また、すべてのレベルにわたりひずみの改善がなされ、理想的な音楽再生を可能にした画期的な方式です。
■ 20ビット8fs×リアル20ビット2DAで32倍の高分解能達成(再生系、対16ビット4fs採用機)
デジタルフィルターは最先進の8倍オーバーサンプリング20ビットデジタルフィルターを採用、周波数軸上でCDフォーマットの8倍の精度でオーバーサンプリングを行う事によリサンプリングノイズや帯域リップルを極限まで抑えこみ、アナログフィルターの特性を最大限引き出す事によって群遅延特性を更に改善できました。
そしてDAコンバーターは、デジタルフィルターの20ビット出力に対応したリアル20ビットDAコンバーターを採用、両者の相乗効果により、再生系で16ビット4倍オーバーサンプリングデジタルフィルター採用機の実に32倍の高分解能を達成、SN比やダイナミックレンジを限りなく理論限界値に近づけて原音波形に最も近いDA変換を可能としました。
又、このDAコンバーターはアッテネーターやスイッチング回路を使用するフローティング方式でなく、リアル20ビット方式である為、非直線ひずみの要因を持ちません。更に、LR独立の2DA方式ですのでLRの位相ズレを排除し、明快な音像定位を実現しています。
【録音側】群遅延特性のすぐれたシグマ/デルタ型A/Dコンバーター採用
DTR-2000Gでは、アナログ信号とデジタル信号の変換部にシグマ/デルタ型のA/Dコンバーターを搭載。
このシグマ/デルタ型は、従来のラダー抵抗方式のA/Dコンバーターに比べ、高速動作が可能です。これにより高い周波数でのサンプリングが可能になり、位相特性の優れたローパスフィルターを採用することができ、アナログ信号の原波形を高精度に量子化することができるようになりました。
■ プロ用機器で培った音質ノウハウを投入
1. 外部振動をシャットアウトする高精度メカベース
クリアな音質獲得のために、高精度アルミダイキャストメカベースを採用したメカユニット部。(写真-1)
また、特殊ダンパー材でフローティングしたメカユニットは、外部振動を寄せつけません。(図-3)
2. L・R独立構成アナログ回路
アナログ回路ではチャンネル間の相互干渉を防止する為、新開発リアル20ビットLAMBDA S.L.CをL・R独立して使用すると共に、コンバーター以降のアナログ回路も信号の流れに沿ったL・R完全独立構成としました。
■ 卓越の機能、豊富な仕様
1. 早送りや巻戻し時間を大幅に短縮する400倍速FF/REW
約400倍速でテープの早送り、巻き戻しが可能です。
巻戻し時間を従来機の約1/2の時間(120分テープで約25秒)に短縮しました。
2. 高精度テープ編集を実現する1/2倍速のファインキュー機能
通常の約1/2倍速で再生しながら、正確なID書き込み位置を決めることができます。
3. デジタル編集の問題を解決したデジタルフェードイン、フェードアウト機能
音質劣化の少ないアッテネートが可能です。
入カソースがアナログでも、デジタルと同様なフェードイン、フェードアウト録音ができます。
4. 豊富なサブコード機能で多彩な操作・編集が可能
DATの特長であるサブコードを利用した各種機能を多彩に盛り込んでいます。
例えば、高速サーチによるダイレクト選曲、前後飛び越し選曲、テープ編集に便利なスタートIDアフレコ、スキップIDアフレコ、リナンバー機能、録音時に便利なエンドサーチ、テープ残量表示等。
5. ディスプレイ3段切り換え可能
ディスプレイスイッチでディスプレイの点灯状態を切り換え可能。
(1)標準点灯(通常状態)、(2)カウンターと曲番のみ点灯、(3)全消灯(但し、ストップ時はP-NOは点灯)の3段階表示が可能ですので、ご使用時お好みに合わせてディスプレイの点灯状態を切り換えられます。
6. 豊富な入力端子
デジタル時代に対応した豊富な入出力端子を備えています。
[デジタル]入力−同軸1、光1、出力−同軸1、光1
[アナログ]入カ−RCA形L・R1系統、出カ−RCA形L・R1系統
■ シリアルコピーマネージメントシステム(S.C.M.S)対応機
本機はシリアルコピーマネージメントシステム(S.C.M.S)対応機種です。
デジタル録音には制限がありますので下記内容をよくご確認の上、正しく録音を行ってください。
仕様
● 形式
● 信号フォーマット
- テープ記録方式:回転ヘッド方式
- チャンネル数:2チャンネル
- 量子化ビット数:16ビットリニア
- 標本化周波数:
・録音:32kHz(BS・Aモードデジタル入力時)、48kHz(標準モード、BS・Bモードデジタル入力時)、44.1kHz(CDデジタル入力時)
・再生:32kHz、44.1kHz、48kHz
- エラー訂正方式:二重リードソロモン方式
● メカニズム部
- ヘッド:アモルファス
- ドラム直径:30mm
- ドラム回転数:2,000r.p.m(録音、再生時)
- テープ速度:8.15mm/sec(録音、再生時)
- サーチスピード:約250倍速
- 高速FF/REW:約400倍速
- 駆動方式:2DD+1DCモーター方式(ドラム×1、キャプスタン×1、トレイ×1)
● オーディオ部(録音再生部)
- 周波数特性:2〜22kHz±0.5dB
- 全高調波歪率:0.008%
- ダイナミックレンジ:90dB
- S/N比:90dB
- ワウフラッター:測定限界以下(+0.001% W.PEAK以下)
● 入出力端子
- アナログ入力端子:RCA形ピンジャック 500mV/入力インピーダンス47kΩ
- デジタル入力端子:同軸×1 0.5Vp-p/入カインピーダンス75Ω 光×1
- アナログ出力端子:RCA形ビンジャック(固定)10kΩ負荷時2V/出力インピーダンス360Ω
- デジタル出力端子:同軸×1 0.5Vp-p/出力インピーダンス75Ω 光×1
- ヘッドホン出力端子:ステレオ標準型 32Ω負荷時最大出力3mW
● 総合
- 電源:AC 100V 50/60Hz
- 消費電力:17W
- 外形寸法:(W)470×(H)122×(D)320mm
- 重量:約8.5kg