はじめに
現在、Hi-Fiスピーカー市場は従来からのマーケットの主流である比較的大型のブックシェルフタイプと小型スタンド付きスピーカーに大きく分けられております。これはユーザーの生活様式が多様化し、それぞれ個性ある音楽ライフを求める兆しが出てきたからと考えられます。
一方音楽ソースはCDを初め、BS放送、ビデオディスク、DATとデジタルソースが身近になって来ており、ますますこの優れた音質のデジタルソースを気軽に楽しく聴く傾向はますます広がって来ております。
DENONは、デジタルソースのピュア再生を求めてSC-880を発売し、好評を得ておりますが、一方優れた音質を部屋のどこにいても得られる様に、又、大型システムでしか得られない迫力ある重低音をスリムなボディから迫力充分に再現できるよう新開発G・BホーンツィーターとAero-Tube方式スーパーウーハー採用のスピーカーシステム「SC-L50」を開発・商品化致しました。
1. 開発の狙い
SC-L50はCDやDAT、BSなど、ますます広がるデジタルソースのハイクオリティ再生を可能にする、スリムなトールボーイタイプのスピーカーシステムです。
またツィーターには、新開発のGBホーンツィーターを搭載。120度にも及ぷ指向角により、座った位置がそのままベスト・ポイントになるワイドなリスニングエリアを確保します。
また低域再生には、DENONが独自に開発したAero-Tube方式スーパーウーハーを採用。スリムなボディからは想像できないダイナミックな重低音を再生します。
そのため、オーディオシステムやAVシステムの発展に合せて、場所をとらずにスッキリ設置できます。また視覚スペースが小さくインテリア感覚でシステムが組めるなど、デジタルソースやAVソフトを楽しく、ワイドに演出します。
2. 製品のポイント
主な特長
■ スリムなボディから想像を超える重低音を再生。新開発Aero-Tube方式 スーパーウーハー搭載
スリムなスピーカーや小型スピーカーは省スペース性の点でメリットがありますが、反面、容積が小さいため、低域再生には不利であることは否めませんでした。
SC-L50は省スペース性を生かしながら、大型スピーカーシステム並の低域再生を可能に致しました。
それが新開発DENON Aero-Tube方式スーパーウーハーです。これにより、スリムなボディながら効率の良い重低音再生が可能となりました。
■ 広角120度のワイドなリスニング・エリアを確保。新開発G・Bホーン
素晴らしいデジタルソースをどこで聴いても明確な音像定位が得られる様に、つまり座った位置がそのままベストポジションになる様に広い指向性を持ったホーンツィーターを開発。それが新開発G・Bホーンです。新開発G・Bホーンはガウス関数、ベッセル関数の組合せにより左右120度の広指向エリアを確保すると同時に、特性のピーク、ディップなど音質劣化の原因を排除し、平担な周波数バランスを獲得しました。
指向角が120度と広いため、反射音、間接音も豊か。自然でやわらかな音場感がリスナーを包み込みます。もう三角形の頂点に固定されて聴かなくてはならないという制約から解かれ、より音楽を気軽に楽しく聴くことが可能となりました。
■ スリムでコンパクトなトールボーイ・タイプ
美しい木目仕上げのスリムなフォルムは、インテリアの雰囲気を損なうことなくスッキリとしたシステムを構成します。また、視覚スペースが小さいため、圧迫感がなく視界のじゃまになる心配もありません。さらに、指向性に大きな影響力をもつツィーターの高さを、椅子に座った人の耳の高さに合わせて設計してある点も大きな魅力です。
■ AV対応の防磁設計
主な仕様
- 形式：Aero Tube型3ウェイ3スピーカーシステム
- 入カインピーダンス：6Ω
- 許容入力：150W（EIAJ）
- 再生周波数帯域：35Hz〜30kHz
- 平均音圧レベル：90dB/1m・1W
- クロスオーバー：400Hz、4kHz
- 外形寸法：W296(157)×Hl.100(1.063)×D296(220)mm ()内は台座を除いた寸法
- 重量：15kg（1本）
SC-LシリーズのLは
● 新しいオーディオのLife Style
● 生々しいサウンド Live Sound
● インテリアとの調和Living Audio
のLを採ったものです。
（昭和63年）
